介護の社会化をうたって介護保険制度が始まり7年近く。介護はもう、「家族で抱え込む時代ではない」ということは、多くの人の意識に浸透してきたようです。けれども、「もうすぐ退院、介護保険サービスを使うにはどうしたらいいの?」「年をとって人の手を借りたいけれど、介護保険は使えるの?」「遠くに住んでいる親のことが心配!」などなど、いざというときや不安なときはどこに聞けばいいのか、肝心な「社会的サービスへの扉が見えない!」という声が聞こえます。また、「役所に問い合わせたが、あちこちたらい回しにされた」というような話も枚挙に暇がありません。
こうしたことを解決するために2006年、介護保険制度の見直しで創設されたのが「地域包括支援センター」です。職員として配置されているのは、地域住民の保健にかかわる専門家の「保健師」、福祉全般に関する専門家である「社会福祉士」、ケアマネジャーの上級資格である「主任ケアマネジャー」。どんな相談が来ても、この3職種が連携を取れば対応できるように、最強の組み合わせになっています。
センターはさらに、介護保険制度に関する情報、他の高齢者施策、事業所情報など、様々な情報を集約し、町内会、事業所、ボランティア組織、警察、病院など地域にある機関のネットワークの中心となって、町に安心網を張り巡らせるという役割も担っています。各自治体は、地域包括支援センターの設置に関して国から委ねられているので、地域の人が行きやすいような場所や数をよく考えて設置しているはずです。
このようにうまく機能すれば「町の安心拠点」となる夢のような話ですが、設置されてから1年足らずの現在は、うまく動いている所の方が少ないかもしれません。ただ、今十分に機能していないからといって、住民が利用しなければいつまでたっても育ちません。ですから、上に書いたような不安や困りごとにぶつかったら、まず「地域包括支援センター」に相談しましょう。自分の住んでいる地域のどこにあるかは、役所に尋ねましょう。

文:島村八重子(全国マイケアプラン・ネットワーク代表)
マイケアプランは、自分らしい暮らしや生き方を自分で考え、責任を持って暮らしを組み立てていくことです。私たちは、ケアプランを立てる過程で、利用者が真剣に考えて主体的に根拠のあるプランを立てること、自らきちんと考えてサービスを選び、事業者を選ぶことを大切にしている仲間たちのネットワークです。詳しくはホームページ http://www.mycareplan-net.com をご覧ください。