
栗駒町に住むSさん(81歳)は2ヵ月の入院生活の後、自宅に戻り療養生活を送っています。息子さんや娘さんは都会でそれぞれ暮らしていて、里帰りするのは年に数回です。今は奥様(78歳)と二人で暮らしています。
Sさんがご自宅に戻って一番嬉しかったことは、奥様の手料理が食べられることだといいます。「病院は同じメニューの繰り返しだけど、家では毎日手料理が食べられるから、もう病院には戻りたくないね。」ゆっくりと大きな張りのある声で話されるので、尋ねたところ、「肺活量を大きくするため、大きな声をだしているんだよ。」と答えられました。たまに声が大きすぎて、奥様に叱られることもあるそうです。
奥様の手料理をより美味しく食べるために、Sさんは毎日3キロの道のりを約1時間かけて散歩しています。音楽も好きで、今は小学校の唱歌を練習中とか。前向きなSさんらしいですね。奥様も裏庭で野菜や果物を栽培するなど、美味しい料理を作るためにエネルギーを注いでいます。まさに奥様とふたり、二人三脚の日々です。
Sさんが介護サービスを頼むようになったのは、退院後間もなくのことです。ドレーンを装着しているため、お風呂に入ることが難しいのです。入浴車による2週間に1回のサービスだけではSさんには不十分。そこで毎日、午前中に40分ほど身体介護を受けています。「毎日、毎日、新しい命をもらうように、清拭してもらっていますよ。スタッフの人と、こうしてコミュニケーションできるのがいいねぇ」と、Sさん。奥様も、退院後すぐにサービスを受けられて本当によかったといいます。毎日訪問するスタッフの笑顔は、Sさんのケアだけでなく、奥様の精神的な支えにもなっているようです。

Sさんの1日は、大好きなクラシックを聴きながら、身体を清潔にすることから始まります。
同じ栗駒町に住むTさん(89歳)は、4世帯7人家族です。家族がそれぞれ仕事をもっているので、家族の協力はあっても、介護の負担はどうしても娘のYさん(68歳)にかかりがちでした。介護が必要になってから5年間、Tさんの身体介護をしてきたYさんも、腰を痛めてしまい体位交換など力のかかるケアができなくなりました。
1998年2月から、栗原地域でコムスンの活動が始まり、オムツ交換や体位交換など力のいるケアを頼むことにしました。今では1日4回の巡回型介護を受けています。Yさんの負担はかなり軽くなり、家族も安心して仕事に出られるようになりました。