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   介護レポート

 

Report 01 ★介護レポート 

取材協力★株式会社コムスン栗駒ケアセンター 宮城県栗原郡栗駒町岩ヶ崎六日町8 

 栗駒町に住むSさん(81歳)は2ヵ月の入院生活の後、自宅に戻り療養生活を送っています。息子さんや娘さんは都会でそれぞれ暮らしていて、里帰りするのは年に数回です。今は奥様(78歳)と二人で暮らしています。

 Sさんがご自宅に戻って一番嬉しかったことは、奥様の手料理が食べられることだといいます。「病院は同じメニューの繰り返しだけど、家では毎日手料理が食べられるから、もう病院には戻りたくないね。」ゆっくりと大きな張りのある声で話されるので、尋ねたところ、「肺活量を大きくするため、大きな声をだしているんだよ。」と答えられました。たまに声が大きすぎて、奥様に叱られることもあるそうです。

 奥様の手料理をより美味しく食べるために、Sさんは毎日3キロの道のりを約1時間かけて散歩しています。音楽も好きで、今は小学校の唱歌を練習中とか。前向きなSさんらしいですね。奥様も裏庭で野菜や果物を栽培するなど、美味しい料理を作るためにエネルギーを注いでいます。まさに奥様とふたり、二人三脚の日々です。

 Sさんが介護サービスを頼むようになったのは、退院後間もなくのことです。ドレーンを装着しているため、お風呂に入ることが難しいのです。入浴車による2週間に1回のサービスだけではSさんには不十分。そこで毎日、午前中に40分ほど身体介護を受けています。「毎日、毎日、新しい命をもらうように、清拭してもらっていますよ。スタッフの人と、こうしてコミュニケーションできるのがいいねぇ」と、Sさん。奥様も、退院後すぐにサービスを受けられて本当によかったといいます。毎日訪問するスタッフの笑顔は、Sさんのケアだけでなく、奥様の精神的な支えにもなっているようです。

Sさんの1日は、大好きなクラシックを聴きながら、身体を清潔にすることから始まります。

 同じ栗駒町に住むTさん(89歳)は、4世帯7人家族です。家族がそれぞれ仕事をもっているので、家族の協力はあっても、介護の負担はどうしても娘のYさん(68歳)にかかりがちでした。介護が必要になってから5年間、Tさんの身体介護をしてきたYさんも、腰を痛めてしまい体位交換など力のかかるケアができなくなりました。

 1998年2月から、栗原地域でコムスンの活動が始まり、オムツ交換や体位交換など力のいるケアを頼むことにしました。今では1日4回の巡回型介護を受けています。Yさんの負担はかなり軽くなり、家族も安心して仕事に出られるようになりました。

 栗駒町は、宮城県の北部に位置する人口およそ1万5千人弱の小さな町です。栗駒町を含む3町1村の栗原地域に『過疎地のモデル事業』として、民間企業の「株式会社コムスン」が参入したのは1997年11月のことです。翌年2月には、介護サービスをスタートさせました。「株式会社コムスン」の特徴は、専門的な介護技術を習得したスタッフによる、24時間巡回型のケア体制です。もちろん医療機関との連携も充実しています。現在、さらに2つの町が加わり、エリアも広がりました。ケアマネージャーの中屋さんを中心にスタッフ20名が、約60件の対象者に介護サービスをしています。対象者には重度の人も多く、定期的に訪れる介護スタッフのサービスは、家族の不安をもやわらげています。

 「『過疎地』ということで、1件あたりの移動距離が長いことや、冬期の雪道問題など、この地域ならではの様々な問題を一つひとつ検討しているところです。」と、センター長の高橋さん。介護サービスの依頼が多くなるにつれ、介護スタッフの人数を増やす必要もあります。地元でプロのスタッフを養成するための時間や費用の問題など、具体的な課題を拾い上げ、解決に向けて取り組んでいるところだそうです。

 また、サービスを受ける家庭は、介護保険料に加え、介護を受けるたびに1割の負担が必要です。そのため、認定された介護度によるサービスをすべて受けられないケースもでてきました。限られた枠の中で、適切なケアプランを作成するのは、ケアマネージャーの腕の見せどころです。それに加えて、町による介護保険対象外のサービスの充実が不可欠でしょう。「町との連携はもちろん、社会福祉協議会やJAとの協力体制を充実させ、それぞれの得意とする分野を生かしながら、『過疎地だからできない!』のではなく、『この町だからできること、この町の中で解決できること』を探っていきたい」そう高橋さんはいいます。介護サービスのプロ集団、「株式会社コムスン」の前向きな姿勢がうかがわれます。

Tさんは寝たきりの状態ですが、「家族囲まれているせいか、病院に入院している人よりも表情がやさしい」と、スタッフの皆川さんはいいます。

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