
ミヲさんの主治医となった石川歯科医院の石川院長は、15年ほど前、近くの病院から事故で入院した人の歯の治療を依頼されました。その後、病院の入院患者や老人ホームなどの入所者を対象にした治療が次第に増えてきました。
その中には、せっかく作った義歯が合わず使っていない人がいます。歯形をとって義歯を作ることは簡単ですが、それを体の一部として使いこなすためには、噛み合わせまでしっかりと調整し、口の中の変化に応じてケアしていくことが必要です。そこで退院後・退所後のケアを続けていくために、本格的な在宅患者の訪問診療を開始しました。現在では、一般診療とは別に、歯科医と歯科衛生士が組んだ在宅医療チームが、ほぼ毎日、年間1,500回以上出動しています。
訪問時には、治療やケアをしながら、家族や患者にできることを指導しています。本人の状態に応じて、食べる姿勢や食べ方・飲み方の指導をはじめ、マッサージや嚥下訓練などのリハビリも取り入れています。単に悪いところを治療するだけではなく、食べる機能の維持・回復にも力を入れているのです。また、介護保険制度施行を機に、地域の介護関係者との情報交換により力を入れ、主介護者となる家族やホームヘルパーを対象に、介護講座も実施しています。
<ワンポイントアドバイス>
○食後・就寝前に、歯みがき・うがいをしよう
食べカスが残らないようにする
○要介護者の口の中を毎日観察しよう
汚れが残っていないか
虫歯にかぶせた金属や義歯がしっかりついているか
○はずした義歯をよく調べよう(特に裏側は要注意)
汚れが残っていないか
ひびが入っていないか
○就寝時には義歯をはずして歯茎を休ませよう
義歯は水につけて乾燥による変形を防ぐ
針金で固定されている部分入れ歯は、
針金のバネの部分を持つとはずしやすい
義歯をはずす習慣のなかった人は無理をしないで、
今日は下を、次の日をというように徐々にはずしていく
○麻痺がある場合
麻痺側に汚れが残りやすいので、よくチェックする
片麻痺がある場合でも、動く手を使って自分で出し入れしよう
(手のリハビリになる)
○義歯を洗うとき
洗面器などに水を張り
落としても破損しないように工夫する