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   介護レポート

 

Report10 ★「リハビリテーション」と
          「レクリエーション」で機能低下を予防 

取材協力★武用整形外科 和歌山県和歌山市鳴神1005 

 

 朝9時、送迎バスが出発し、10時には利用者全員が顔を揃えます。渡り廊下を抜けて、順番に整形外科での診察を受けます。リハビリ訓練や電気療法を受ける人、デイサービスで入浴する人など様々です。昼には、入院病棟の調理室で作られた、できたての食事が届きます。午後は、全員揃ってのレクリエーションです。

 この日は、月一度の料理の日でした。粉を溶いて、キャベツを刻み、たこ焼きを作ります。普段はヘルパーに食事の準備をしてもらったり、配食サービスを利用している人も、スタッフの手を借りながら全員参加します。試食会では「皆で作ったたこ焼きは、町で評判のたこ焼き屋よりもおいしい」と盛り上がりました。

 ここでは、手工芸の得意なヘルパーがいろいろなものの作り方を手ほどきしています。カゴ作りには力がいりますが、きれいに編み上げ、1日で完成させてしまう人もいます。月替りの手作りカレンダーやアートフラワー作りなど、一つとして同じものができない手作りのよさを実感しています。

 七夕には笹の葉を飾り、クリスマスには手作りのツリーを作ります。色紙で思い思いに飾りを作り、季節ごとの行事を楽しんでいます。また、敬老の日は近隣にある保育園に招かれ、お祝いをしてもらいました。子どもたちに囲まれて、いつもに増して楽しい一日になりました。

 ときには、「一人で家にいるほうが気ままで楽。デイサービスに行くために身支度するのが面倒だ」と思う人もいるようです。しかし、皆で体を動かせば気持ちがいいし、仲間で囲む食卓は一人の食事よりもずっとおいしく感じます。デイサービスに通った日は、「今日は楽しかった」と気持ちよく眠りにつけるそうです。

 

 

 和歌山市にある武用整形外科では、介護保険制度を機にデイサービスを開始しました。敷地内にある駐車場の一部に50平米ほどのフロアを増設し、風呂とトイレ、お茶の準備ができるくらいのミニキッチンを設置しました。当初は火、水、金のみの開業でしたが、利用者の増加に伴い、平成13年6月から月〜金まで利用できるようにしました。現在、週2回利用する人を中心に1日およそ10人程度が通っています。利用者の多くは一人暮らしです。足腰が弱り、一人では通院が困難になり、通院と通所を兼ねて送迎付のデイサービスを利用しています。

 スタッフは、歯科医師、看護婦、ケアマネジャー、ヘルパーと様々です。細かいところまで目が届き、家族のように接することができるよう、ゆとりをもったローテーションを組んでいます。また、整形外科の医師、看護婦、理学療法士なども、利用者全員の状態を把握しています。気心の知れたスタッフによる、介護・医療両面からのケアで安心感を与えるように心がけています。

 さらに、デイサービスでは外出の機会を多く作り、日用品の買い出しや遠足にも連れ出します。毎日のプログラムの中では、体操などのリハビリ訓練を必ず行っています。レクリエーションの一つひとつがリハビリテーションを兼ねるようにも考えられています。レクリエーションの計画は予めスタッフが立てますが、利用者からもリクエストがあがります。手先を使うことが好きな人が多く、診察や入浴の合間にも、思い思いに手を動かす姿が見られます。脳血管障害の後遺症をもつ人も、自分のペースでできることには参加しています。それぞれペースは違っても、仲間として一緒に参加することが励みとなり、楽しみになっているのです。

 そのせいか、利用者の多くは要支援から要介護1、2レベルですが、ほとんどの人は現在のレベルを維持しています。なかには、内臓疾患の影響で介護度が悪化してしまう人もいますが、よく動き、よくしゃべり、よく食べる姿は、平均年齢が80歳に近いとは思えないほどです。

 健康の秘訣は、仲間とのふれあいです。「楽しい思い出をどんどん作っていきたい」「閉じこもり、寝たきりにならない!させない!」。利用者とスタッフの想いは同じです。それぞれが楽しく充実した時間を過ごせるよう、日々取り組んでいます。

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