PureCommunications,Inc.
   介護レポート

 

Report18 ★医療から在宅への橋渡し 

取材協力★医療法人真正会霞ヶ関南病院 埼玉県川越市安比奈新田283-1 

 

 医療法人真正会(理事長・齊藤正身さん)は、埼玉県川越市で高齢者を中心とした入院と在宅のサービスを提供しています。昭和47年、市役所の相談員をしていた齊藤正男さんと、医療・福祉制度に問題意識を持っていた医師の池田弘さんが老人医療専門病院として「霞ヶ関中央病院」を開設。「老人にも明日がある」をモットーに、開設からの31年間、「高齢者に適した入院医療サービスの創造」「在宅サポート体制の充実」「リハビリテーションの充実」の3つに取り組んできました。

 現在は、法人内の各種サービスをより利用しやすい形にするため、「入院・在宅サービスの統合」を4つ目の取り組みとして進めています。霞ヶ関南病院を中心として、回復期から在宅維持期までの全ての時期の方を対象に、入院中にはしっかりとしたケアとリハビリテーションを、退院後は安心して暮らせるためのサポートを、よりよい形で提供できるよう、新しいサービス体制作りを進めています。「リハビリテーション」と「コミュニティ・ケア」がテーマの法人といえます。

  「霞ヶ関南病院」の一階中央には、中庭風に作られたオープンスペース(名称:ガレリア)があります。ここは地域住民にも開放され、カフェテリアや売店のほか、個展や展覧会を開くことのできるギャラリースペースもあり、イベント時には出店も並び、多くの人でにぎわうそうです。また、小ホールは地域住民の公民館的役割も果たしています。入院患者のクラブ活動(レクリエーションワーカーが提供する趣味活動のアクティビティ)に、ギャラリーや小ホールを利用している住民たちが得意な分野でボランティアとして参加し、一緒に楽しむ光景もみられます。住民に開放されているこれらのスペースは、入院中から「お茶を飲みに行く」「おしゃべりをしに行く」「美容院に行く」「買い物に行く」などの「出かける」経験を日常的に行うことによって、退院後も部屋や自宅にこもらず活動の場を積極的に広げて欲しいとの願いから生まれました。こうした場に参加することで、外出や趣味などの活動を日常の生活に取り入れたり、障害と向き合ったりするきっかけになります。

 

 リハビリテーションセンターは大きく二つのスペースに分かれています。「起きる、座る、立つ」といった基本的な動作や移動、体力面のトレーニングは理学療法士が、「服を着る」「ご飯を食べる」「家事をする」といった実際の生活に直接つながる行為のトレーニングや高次脳機能などへのケアは作業療法士が担当しています。理学療法のスペースにはマットや平行棒の他、ドイツの医療機関で使われているトレーニングマシンが並んでいて、従来の理学療法の方法に加え「パワーリハビリテーション」の手法に基づく様々なトレーニングも提供されています。

 平成14年7月には、病院でのリハビリテーションを卒業した人、生活習慣病と診断された人、介護予防の必要な人、健康に興味のある人など地域住民を対象に、健康増進・疾病予防を目的とした「SKIPトレーニングセンター」が霞ヶ関南病院に新設されました。ここは、リハビリテーションセンターと同じトレーニングマシンを導入し、医学的な検査データをもとに個々の運動プログラムが作成され、医療保険や介護保険とは一線を引き、使用料を支払い自らの意思で利用する施設です。若くして障害をもった人、気持が若くデイケアには行きたくないという人、入院している家族を見舞いに来た人、付き添いで来ていたけれど自分も参加してみようと思った人など、障害のある人もない人も一緒になってトレーニングを行っています。

 

 

 医療法人真正会では、入院患者だけでなくその家族も幸せになるように、地域のニーズに応えながらスタッフを育て、リハビリテーション施設を一つひとつ作り上げてきました。医師をはじめ、リハビリのための専門スタッフ、看護師や栄養士、社会福祉士など様々な職種がチームを組み、外来、入院、訪問、通所リハビリ、そして介護予防・健康増進と、これからも地域住民の健康をサポートしていきたいと考えています。

Copyright by PureCommunications,Inc. 2003