
東京都足立区にある福岡クリニックは1階が外来、2階が訪問看護ステーション、3階にデイサービスセンター、4階には在宅部があります。また、近くには系列の介護老人保健施設などもあり地域医療をトータルで支えています。
在宅部には医師、看護師、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、管理栄養士、相談員(ソーシャルワーカー)が所属し、他の部所のスタッフとも連携しながら、在宅で療養している人たちが安心して過ごせるように往診や指導に出向いています。
管理栄養士の中村さんは、およそ70件の療養者宅をそれぞれ月に1〜2回ずつ訪問して栄養指導を行っています。狭い道が多く持ち物も多いので愛車の自転車は大活躍です。療養者宅に到着すると、昨日、今日と「何をどのくらい食べたのか」食事の聞き取り調査を行い、栄養のバランスをチェックします。動ける人は体重計を使って、動けないときには体脂肪計で、栄養分がしっかり血や肉になっているか、食べ過ぎてはいないかを判断します。そして、血液検査などのデータも加味しながら具体的な食事内容をアドバイスしていきます。
在宅に出向くことで療養者やその家族がどのような環境の中で調理をしているのか、食事をしているのかを実際に確認することができます。そうすることで冷蔵庫などにあるいつもの食材をアレンジし、一人ひとりの療養者に合わせてその都度アイデアを提案できるのです。もちろん、家族が調理できる場合は家族に、ホームヘルパーが調理している場合はホームヘルパーに、そして本人にも食事のバランスや量について説明します。
また、フードモデルを使い、どのようなものが体によく、どのくらい食べたらよいのかも目に見える形で理解してもらいます。食べ過ぎて余分なものが多い場合は物足りなさを感じないように、食が細く栄養不足の場合には少量でも栄養が十分とれるようにするなど、素材の組み合わせや調理方法を工夫していきます。そして、今までの食生活を大きく変えることなく、家にある材料を使って効果のあるメニューを提案し調理実習を行います。